蝉雑記帳2014

1 五智公園

 5月4日、三保の松原へハルゼミを探しに行ったが、鳴き声は確認できなかった。
 5月24日、上越市五智公園へハルゼミを探しに行った。直江津駅から歩いて30分ぐらいのところにある小山で、 キャンプ場付近にアカマツが多くあり、ハルゼミも比較的多い。松枯れは多少あるが、ここ数年歩いた、新潟県内の公園でもっとも健全な松林だった。比較的低い枝で鳴いている個体がいそうだったが、うす曇になって、涼しい風が吹き出したら、あまり鳴かなくなってしまった。

ハルゼミの脱皮殻
ハルゼミの脱皮殻

展望台から直江津方面を見る
展望台から直江津方面を見る


2 小海

6月14日、佐久平、小海線への連絡通路を進んで行くと改札もなく、いきなり小海線のホームに出る。小淵沢行きの本数は少なく、8時半の次は10時過ぎまでない。中込までは車掌がいて切符を買えるが、中込からはワンマン運転になる。JRでもっと標高の高いところにある野辺山へ向かう。
およそ1時間半で到着、小海あたりからエゾハルゼミの合唱が聞こえていたが、野辺山駅の周辺ではエゾハルゼミの声はない。まとまった林がないのが原因か、かなり遠くからかすかにエゾハルゼミの声がするだけ、しかたなく、小海まで戻ることにした。

野辺山
野辺山駅周辺

野辺山
野辺山駅周辺

小海に着くと、周辺の山からエゾハルゼミの合唱が聞こえてくる。当然のように、駅の周辺や街中ではエゾハルゼミは鳴かず、まとまった林があっても人家の近くでは、エゾハルゼミは少ない。ある程度山道を登るとエゾハルゼミが増えてくる。畑周辺の低い木にもやってくるが、枝が込んでいて見つからないし、気温が高く、鳴き移り頻度も高く、すぐいなくなる。
 別所温泉森林公園などでは、ハルゼミもいっしょに合唱しているが、小海ではエゾハルゼミだけだった。ハルゼミは駅から少し離れた墓地の周辺で単独で鳴いていただけ。

小海
小海

小海
小海 エゾハルゼミが鳴く風景



3 辻堂海浜公園

辻堂海浜公園
辻堂海浜公園 クマゼミの鳴く環境

 8月15日、クマゼミが大発生しているという辻堂海浜公園、東海道線辻堂駅からバスも出ているが、歩きで、少し遠回りしたので、30分ほどで着いた。途中の市民センター付近でもクマゼミが普通に鳴いていた。海浜公園はクロマツの大木に囲まれている。松枯れなどは見られない、きわめて健全なクロマツ林である。しかし、ハルゼミはいないようだ。芝生の広場かなりの面積をしめていて、クマゼミが鳴いている場所は周辺の林に限られている。クロマツ以外はあまり大きな木はなく、クマゼミの観察には都合がよい。クマゼミの個体数はそれほど多くない、普通いる程度、ネットの情報などを見ると昨年は多いので、、おそらく今年が少ないのだと思う。茅ヶ崎市中央公園の個体と同じように鳴き移りは頻度が少なく、羽が白くなっている個体がいたので、終盤に近いようだ。

クマゼミ 

 ネット上にあった「藤沢市県立辻堂海浜公園のクマゼミの発生と繁殖」によれば、最近は大きな木の移植はないそうだ。また、藤沢クマゼミ調査研究会のサイトを見ると藤沢市クマゼミの発生地は点在しているので、意図的か、偶然かは別にして人為的なものと思われる。
 最近Twitterで蝉雑記帳’99の”くまぜみマニア”についての一部が流れているようだ。今頃15年も前の記事が流れているのは謎だが、クマゼミ北上計画がたわ言でなく、実行されていたら、今頃あちらこちらでクマゼミの声が聞こえていても不思議ではないと思った。



4 自宅付近のセミ

 自宅付近のセミの初聞きは、ニイニイゼミが7月13日。ヒグラシが7月14日、アブラゼミが7月19日、ミンミンゼミが7月26日、人為的と思われるクマゼミが勤め先付近で、7月28日、ツクツクボウシが8月6日、終聞きはニイニイゼミが8月23日、ヒグラシが8月18日、アブラゼミが牛久駅付近で10月19日、ミンミンゼミが9月5日、ツクツクボウシが9月14日。
 自宅の庭で見つかった脱皮殻はアブラゼミ5個(1雄、4雌)、ミンミンゼミ4個(3雄、1雌)、ツクツクボウシ3個(2雄、1雌)
 セミの発生量は少なかった。ミンミンゼミも最高6個体程度の鳴き声しか聞けなかった。特に千葉県南房総市のクロイワツクツクが少なく、まとまって鳴いている場所が2ヵ所しかなく、それ以外は単独で鳴いているだけだった。原因として5月下旬から6月初めにかけての高温ではないかと思う。この頃セミの終齢幼虫は羽化の準備が始まるので、この時期に高温になると夏が来たと勘違いして、羽化が間に合わないと判断して翌年繰越になった可能性がある。


表1 アロエから羽化したセミ 2014年

セミの種類 羽化日 羽化数 幼虫期間
ツクツクボウシ 8月 7日
8月22日
9月 1日
9月 3日
9月 6日
9月 8日
9月 9日
9月25日
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
  1雌
2年
1年
1年
1年
1年
1年
1年
1年


 アロエから羽化したのは相変わらずツクツクボウシだけで、しかもすべて雌。これ以外4個体逃げられて、そのうち1個体は雄だった。ほかは7月4日にニイニイゼミ1雄が羽化しているが、幼虫期間は不明である。妨害犯も相変わらず現れ、監視カメラをつけてあるので、全滅は免れているが、死角になっている隅の方に置いてあるある飼育装置は数個つぶされた。



5 荒廃する奄美大島の林

 10月の連休に沖縄へ行くつもりだったが、台風が直撃してしまい中止。少しはセミが残っているのではないかと思い11月1〜3日奄美大島へ  天気はあまりよくない。曇りで時々晴れ間が出るくらい。2日は一屯付近をうろついた。  セミはクロイワツクツク、オオシマゼミ、リュウキュウアブラゼミの声がしていたが、いずれも少ない。  松枯れが目立ってきた。

松枯れ

 3日は、名瀬の郊外、赤崎公園付近へ向かう、名瀬郊外の山も松枯れがひどく、枯れた松が倒れ崖崩れになっていたりして荒廃している。セミは赤崎公園付近の東斜面で比較的まとまってクロイワツクツクの声が聞こえていた。
 松枯れは以前からあったが、太平洋側の一部に限られ、あまり広がらなかったのがここ数年急に拡大したようだ。


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