蝉雑記帳2012

1、5月上旬の沖縄

 5月3日から5月5日かけて石垣島へ、3日は石垣島へついただけ、4日は昨年8月上旬に来たとき、まだ、イワサキクサゼミが複数鳴いていた吉原へ行ってみた。どんよりとした曇り空で、イワサキクサゼミは鳴かないので、米原キャンプ場まで歩いた。米原の海岸もどんよりしていた。ついでにヤエヤマヤシ群落を見てみた。以前来たときよりも暗くなっているように感じたが、気のせいか?歩道が決まっていて、それ以外は歩けないようになっている。意外とすぐに行き止まりになる。


ヤエヤマヤシ群落
ヤエヤマヤシ群落

 昼頃には弱い雨まで降り出した。バスで市街地へ戻る途中おもと集落で、セミの声を聞いたので、タクシーでおもと集落に戻った。雨は本降りに近くなっていたが、薄日が差し始めるとイワサキクサゼミが鳴き出した。
 5日は朝から晴れ、昨日と同じ吉原へ。イワサキクサゼミが人家の生垣まで鳴いている。このあたりは以前サトウキビ畑が広がっていたようだが、今は多くが荒地になっている。米原海岸も強い日差しが降りそそぐ、この後予定より早めの便で沖縄本島へ。
 6日は沖縄県南城市知念字安座真、このあたりもかつては、サトウキビ畑が広がっていたが、今は荒地ばかりである。イワサキクサゼミは泊っていたペンション付近が多くみられ、気温の低い朝のうちは道沿いの低い草にとまっているが、時間とともに背の高い草へ移っていった。また、発生地の一つの佐敷町では宅地が増えてきた。那覇の街が広がってきている。

沖縄県南城市知念字安座真
南城市知念字安座真

 帰りに守礼の門によってみた。守礼の門付近でもイワサキクサゼミが散発的に木の上で鳴いていたが、環境から見て、自然分布ではなく、人為的なものと思われる。


2、潮風公園

 5月19日、ハルゼミの観察地を探して、今年は新潟県柏崎市。海沿いにあった潮風公園。低い松の木もあり、これでハルゼミが多ければ観察に都合がいいだろうと思える環境だ。松枯れもそれなりにある。ハルゼミは複数の鳴き声は聞こえていた。フジの花が盛りでクマバチが盛んに飛び回っていたので、ハルゼミも出始めかと思ったのだが・・・。

柏崎市潮風公園
柏崎市潮風公園

 6月2日、再び柏崎市潮風公園をたずねたが、松くい虫防除のため立ち入り禁止になっていてハルゼミの声もなく。この後松波地区まで足を伸ばした。しかし、松林はあったものハルゼミの声は聞けなかった。


3、湯沢高原アルプの里

 6月23日、比較的簡単にエゾハルゼミのいるところへ行けないかと、選んだのが、越後湯沢、駅から10分ほどにあるロープウェーで行ける湯沢高原アルプの里。スキー場などのレクレーション施設が多いとこで、展望台方面と高山植物園に無料のシャトルバスが走っている。天気が曇りだったので、エゾハルゼミは初め高山植物園の裏の入っていけない広葉樹の森でしか鳴いていなかった。山は針葉樹の植林が中心で、広葉樹はその周辺で少し見られる程度。午後になるとようやく天気が回復して、エゾハルゼミがあちらこちらで鳴き出したが、多くは木の上の方で、なかなか姿を見ることはできない。

湯沢高原アルプの里高山植物園
湯沢高原アルプの里高山植物園


4、石垣島再び

 6月30日、朝一番の石垣行きの飛行機に乗るために、前日の夜、羽田の第一ターミナル内にあるカプセルホテルに泊っていた。昨年に続き、山原(やまばれ)橋に行ってみた。ヤエヤマクマゼミには時期が早く数も少なく、採集者の先客がいたりして撮影はできなかったのでイシガキニイニイがぎりぎり残っていないかと思い、タクシーで米原ヤエヤマヤシ群落によってみたが、売店の人が言うには調査している人からの話として、イシガキニイニイは6月上旬から20日までで、この間確認できたのは3個体、さらに環境省の人がイシガキニイニイの声を録音しに来たができなかったとのこと。その後バンナ公園の裏の方でヤエヤマニイニイを観察して宿に向かった。
 7月1日、朝から山原橋でヤエヤマクマゼミの撮影にのぞんだが、クマゼミがやたらと多く、ヤエヤマクマゼミが鳴き出したのは午前10時で、クマゼミが異常に多いと影響を受けるようだ。ヤエヤマクマゼミは数が少なくビデオ撮影はできなかった。新石垣空港を見学して、帰路に着いた。


5、安房小湊

 7月26日ヒメハルゼミを探して、東京から特急で2時間安房小湊へ、このあたりは清澄山、麻綿原高原、内浦山県民の森などヒメハルゼミの発生地が知られている。そこまで行かなくても、いるのではないかと思い、安房小湊駅から内浦山方面に歩いていくと、1キロほどで、ヒメハルゼミの合唱を聞くことができた。ヒメハルゼミの鳴く丘陵地帯を過ぎると植林が多くなり、ヒメハルゼミの声が聞こえなくなったので、駅方向へ戻り、お寺の裏山のようなところで、ヒメハルゼミの撮影を試みたが、至近距離で鳴いているにもかかわらず、木の枝が茂りすぎていたり、風がやや強かったので、見つけられなかった。海岸近くの丘陵ではヒメハルゼミの声は確認できず、ひとつ奥の山から鳴き声が聞こえていた。

安房小湊
安房小湊


6、藤代町庁舎のクマゼミ

 8月15日一番近いクマゼミの発生地、牛久から電車で10分、藤代駅から歩いて10分とかからない、藤代町庁舎へ行ってみた。入り口から向かって右側が、公園のようになっている。入って右側、数本のケヤキでクマゼミの合唱が聞ける。そこから離れると単独の声ばかりになるが、散らばっている雄の数を合わせると30ぐらいはいるようだった。


藤代町庁舎
藤代町庁舎

7、自宅付近のセミ

  自宅の庭のニイニイゼミの初聞きは7月11日、一日で終わり、次に声を聞いたのは15日、やはり一日で終わり、18日から20日にかけては早朝だけ裏の方でニイニイゼミの声がしていた。次は24日から27日早朝にかけて、さらに8月3日から13日まで鳴き。19日と21日にも鳴いており、終聞きは8月30日早朝だった。ヒグラシは7月23日夕方遠くで鳴いていたのが初聞き。終聞きは8月30日やはり遠くで鳴いているのを聞いている。アブラゼミは7月15日つくば市茎崎町で鳴いていたのが初聞き、初聞きは早かったが、自宅の庭で鳴きだしたのは、7月26日。 終聞きは10月6日、翌7日裏庭でアブラゼミの雄を拾い、飼育することにした。このアブラゼミが10月21日に鳴いて、これが今年最後のセミの声になった。ミンミンゼミの初聞きは7月28日つくば市高崎自然の森、自宅の庭が7月29日。8月後半になって、多くなり最高10個体ぐらいの雄の声がしていた。終聞きは9月17日。ツクツクボウシは初聞きが8月12日。終聞きは9月30日牛久市。10月1日取手市藤代町。クマゼミは勤め先付近で人為的と思われものが合唱を始めたのが、8月3日で、8月29日まで確認している。8月12日、21日に自宅の庭でも鳴いていた。終聞きは神奈川県茅ヶ崎中央公園で9月16日。そのほか9月15日から17日にかけてクロイワツクツク1オスが鳴いていた。9月15日夜にはトイレにオオシマゼミの未成熟個体1オスが入り込んでいる。
 自宅の庭で見つかった脱皮殻はミンミンゼミ11個(4雄、7雌)、アブラゼミ3個(2雄、1雌)、ツクツクボウシ2個(2雄)。
 幼虫の飼育はここ2年ばかり飼育妨害をかわしていたのだが、飼育装置の隠し場所が見つかってしまい、徹底的につぶされてしまった。アロエで羽化したセミは8月13日にツクツクボウシ1雄羽化幼虫期間2年、9月11日、ツクツクボウシ1雌羽化幼虫期間1年、9月20日、クロイワツクツク1雌羽化幼虫期間3年の3個体だった。10年ばかりオオシマゼミの累代飼育に挑戦してきたが、すべて妨害にあって進展していない。

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