セミの種類 | 幼虫期間 | 雄 | 雌 | 合計 | 備考 |
ツクツクボウシ | 1年 2年 |
79 68 |
93 67 |
172 135 |
掛け合わせ実験を含む |
ニイニイゼミ | 3年 4年 5年 |
19 44 5 |
12 27 3 |
31 71 8 |
奄美大島産を含む |
ミンミンゼミ | 2年 3年 4年 5年 |
3 37 15 1 |
3 23 13 1 |
6 60 28 2 |
一冬のみ保温1雄2雌を含む 一冬のみ保温2雌を含む . . |
アブラゼミ | 2年 3年 4年 5年 |
0 4 3 2 |
1 5 3 0 |
1 9 6 2 |
|
クロイワツクツク | 2年 3年 4年 |
47 24 3 |
34 14 2 |
81 38 5 |
冬季保温5雄5雌を含む . 屋久島産のみ |
クマゼミ | 2年 4年 5年 |
1 5 3 |
0 8 4 |
1 13 7 |
一冬のみ保温 . . |
クロイワニイニイ | 5年 | 0 | 1 | 1 | |
リュウキュウアブラゼミ | 3年 | 1 | 0 | 1 | オオシマゼミ | 2年 3年 4年 |
8 16 0 |
3 11 1 |
11 27 1 |
スジアカクマゼミ | 3年 | 0 | 1 | 1 |
合計 | 381 | 337 | 718 |
![]() |
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![]() アロエ飼育装置 |
![]() 地中に潜む幼虫(種類不明) |
温帯のセミの幼虫期間は例外的なツクツクボウシを除くと、卵の孵化時期、年2回発育パターン、終齢幼虫は一夏やり過ごすの三つの要素でだいたい決まる。セミの幼虫は6月頃と9月頃を中心に発育している。この年2回発育パターンがセミの生活史の骨格を成している。卵の孵化時期や成虫の出現期も年2回発育パターンの延長線上にあると考えられる。6月と9月は天気が悪いので、前後にずらし、多くのセミが7、8月に羽化している。夏の長い南西諸島では全体に間延びしてしまい、8月頃セミが少なくなる。
アブラゼミ、ミンミンゼミは産卵の翌年の第一回目の活動期にあたる6月下旬から7月にかけて孵化、第二回目の活動期にあたる8月末から9月にかけて、2〜3齢になり、翌年6月に2齢が3齢、3齢が4齢に、9月に3齢が4齢、早いものは4齢が終齢なるものがででくるが、終齢幼虫はひと夏やすごすので、翌年羽化せず、翌々年幼虫期間満3年で羽化する。多くの個体が終齢になるのは孵化から満2年後の6月で翌年3年で羽化するが、まれに8月頃羽化するのがいて、これが幼虫期間2年となる。終齢になるのが9月になると幼虫期間は4年となり、最長は5年である。ツクツクボウシは卵の孵化から、翌年の6月まではアブラゼミ、ミンミンゼミと同じように成長するが、6月4齢になったものは7月に終齢、8月後半から幼虫期間1年で羽化、8月頃終齢になったものは翌年幼虫期間2年で羽化する。ツクツクボウシは普通8月後半に最盛期になるので、自然状態でも幼虫期間1年のものが多いことを表している。また、ツクツクボウシの幼虫期間2年までしかないので、北日本での分布は夏場気温が上がる場所に限られてしまう。ニイニイゼミは産卵した年の9月頃孵化し、ほとんど1齢、わずかに成長の早いのが2齢で越冬、翌年6月に1齢が2齢に2齢が3齢に、9月に2齢が3齢、3齢が4齢、翌々年の6月には3齢が4齢、4齢は終齢になり、多くの個体が終齢になるのは孵化から満2年後の9月で、早いのは幼虫期間3年で羽化、多くは4年、遅いには5年で羽化する。クマゼミは卵の孵化が、茨城あたりでは産卵した翌年の8月中旬以降になり、ニイニイゼミの孵化時期に近いため、幼虫期間もほぼ同じになる。幼虫期間3年がないのは大きさのせいと考えられる。ニイニイゼミ、ミンミンゼミが羽化の準備を始めるのは6月に入ってからで、6月下旬には羽化できる状態になる。ニイニイゼミはまもなく羽化するが、ミンミンゼミは数週間から一月以上待機した後羽化する。